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未練はないわ(水に流して) 20130718掲載

「聖なる喜びにあふれたかつての役割に未練はない。
Je ne regrette pas ma vieille part de gaîté divine.」
「人生」より/『イリュミナスィオン』/ランボー

 突然、シャンソンなのですが、実は「水に流して」という邦題がしっくりこないなぁと長いこと思っていました。そういう気持ちでこのシャンソンを歌われている方もいらっしゃるようで、翻訳を掲載しているブログを参考に、ぼくなりに訳してみました。残念ながら歌えるようには翻訳していません。また、細かいニュアンスは却って分りづらくなると考えて、省きました。なお、「水に流して」の部分は、「いいえ、もういいのよ!」にあたります。「水に流して」という言葉は、とても日本的だと思ってきました。「社会構造的脆弱性」でも取り上げようと考えていて、そのひとつがこの「水に流して」という言葉です。なんだかタイトルを構えすぎて、いつ載せられるか分りません(笑)。という訳で、
まずは「水に流して」のみ流します。
この歌は1960年、エビット・ピアフに歌われたもので、作曲はシャルル・デュモン Charles Dumont 、作詞はミッシェル・ヴォケール Michel Vaucaire です。
以下はピアフの歌う「未練はないわ」(YouTube)です。

     未練はないわ

いいえ、ぜんぜん
いいえ、未練はないわ
善かったことも、悪かったことも
いいえ、もういいのよ!

いいえ、ぜんぜん
いいえ、未練はないわ
償って、捨てて、忘れたの
過去なんて、どうでもいいわ!

思い出は
燃やしてしまったの
喜びも、悲しみも
もう要らないわ!

震える恋も
もう捨てたわ
永遠に捨てたの
ゼロからやり直すわ

いいえ、ぜんぜん
いいえ、未練はないわ
善かったことも、悪かったことも
いいえ、もういいのよ!

いいえ、ぜんぜん
いいえ、未練はないわ
わたしの人生も、私の楽しみも
今、あなたとともに始まるの!

翻訳:門司 邦雄(Parolemerde 2001)
掲載:2012年7月18日

     Non, je ne regrette rien

Non! Rien de rien
Non! Je ne regrette rien 
Ni le bien qu’on m’a fait
Ni le mal tout ça m’est bien égal!

Non! Rien de rien
Non! Je ne regrette rien
C’est payé, balayé, oublié
Je me fous du passé!

Avec mes souvenirs
J’ai allumé le feu
Mes chagrins, mes plaisirs
Je n’ai plus besoin d’eux!

Balayées les amours
Avec leurs trémolos
Balayés pour toujours
Je repars à zéro

Non! Rien de rien
Non! Je ne regrette rien
Ni le bien, qu’on m’a fait
Ni le mal, tout ça m’est bien égal!

Non! Rien de rien
Non! Je ne regrette rien
Car ma vie, car mes joies
Aujourd’hui, ça commence avec toi!

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