愛の賛歌 20080913掲載
ちょっとリクエストがあって、エディット・ピアフの『愛の賛歌 L'hymne à l'amour 』(1950)の歌詞(パロール)を訳してみました。もちろん、詞を訳しただけで、歌には合わせていません。この歌は、日本でもよく歌われますね。歌詞としての訳もいろいろあります。そうそう、ビッグコミックオリジナルの『深夜食堂』(安倍夜朗)でもとりあげられていましたね。この歌を結婚式に歌うと、必ずそのカップルは離婚してしまうというお話で。
愛の賛歌は、原タイトルをそのままに訳すると、「あの愛への賛歌」となります。実は特定の愛を歌ったものなのですね。エピソードは Wikipedia に載っています。フランス語歌詞はここで見れます。 下はピアフの歌う「愛の賛歌」(YouTube)です。
愛の賛歌
わたしたちの上の青い空が壊れても
大地が崩れ去っても
あなたがわたしを愛してくれるなら、それでいいの
この広い世界の中にわたしがいて
わたしたちの朝を、愛がいっぱいにするかぎり
あなたの腕の中で、わたしの体が震えているかぎり
愛しい人よ、問題なんてかまわないわ
あなたがわたしを愛しているからこの世の底まで行きましょう
金髪に染めましょう(注1)
あなたが求めるのなら
月だって手に入れましょう
財産だって盗みましょう
あなたが求めるのなら祖国も裏切りましょう(注2)
友だちも裏切りましょう
あなたが求めるのなら
わたしが笑いものになっても
どんなことでもするわ
あなたが求めるのならある日、人生が私からあなたを引き離しても
あなたが、遠く離れて死んだとしても
あなたがわたしを愛してくれるなら、かまわないの
わたしも死ぬのだから
わたしたちは永遠に
広大な青のなかで
苦しみの無い大空のなかで(注3)
愛しい人よ、信じましょう、愛し合う者を
神は愛し合う者を、再び結び合わせる翻訳:門司 邦雄(Parolemerde 2001)
掲載:2008年9月13日(注1)
直訳は、金髪に染めさせようとなります。おそらく、娼婦にもなりますの意味でしょう。
あなたが求めると訳しましたが、原詩の demander は、より強い意味、要求するといった感じでしょうか。(注2)
renierais > renierer 否認するという意味
例えば、聖ペテロは三度イエスを知らないと言った というような時に使われます。(注3)
直訳は、もう問題の無い空(天)の中 ですが、
ここは、歌う状況で、様々に解釈できます。
Hymne à l'amour
Le ciel bleu sur nous peut s'effondrer
Et la terre peut bien s'écrouler
Peu m'importe si tu m'aimes
Je me fous du monde entier
Tant qu'l'amour inond´ra mes matins
Tant que mon corps frémira sous tes mains
Peu m'importent les problèmes
Mon amour puisque tu m'aimesJ'irais jusqu'au bout du monde
Je me ferais teindre en blonde
Si tu me le demandais
J'irais décrocher la lune
J'irais voler la fortune
Si tu me le demandaisJe renierais ma patrie
Je renierais mes amis
Si tu me le demandais
On peut bien rire de moi
Je ferais n'importe quoi
Si tu me le demandaisSi un jour la vie t'arrache à moi
Si tu meurs que tu sois loin de moi
Peu m'importe si tu m'aimes
Car moi je mourrai aussi
Nous aurons pour nous l'éternité
Dans le bleu de toute l'immensité
Dans le ciel plus de problèmes
Mon amour crois-tu qu'on s'aime
Dieu réunit ceux qui s'aiment