Blog - ランボー的

『地獄での一季節』、『地獄の夜』におけるランボーの描いたキリストの姿

「ランタンが、エメラルド色の波の脇腹に、白い姿で茶色の髪を編んでまっすぐに立っているイエスの姿を照らし出した…」とある。ぼくも、とりあえずこう読んではいたものの、納得がいかなかった。des tresses brunes には、編んだ紐・帯という意味が無いのだろうか。それがいつだったのか、大学を卒業してからと記憶しているが、良く分らない。『地獄での一季節』も、正確に読み直そうと思っていた。キリストが髪を編んでいる絵を本やネットで捜したのだが、見つからなかった。ところが、2016年になって、喫茶店に置いてあったイギリスの子供向け聖書に波の前に立っているキリストの絵があり、髪はざんばらだった。その本の別の絵には、茶色の編み紐(サッシュベルト)を締めたパウロがついていた。ネットで捜すと、ゲネサレ湖だが、ざんばら髪で茶色の紐を締めたキリストの絵があった。このことをサイトに載せようと思ったのだが、時間がかかってしまった。

波の上を歩くイエス
画像は子供向け聖書「Holly Bible」から複写

パウロの回心
画像は子供向け聖書「Holly Bible」から複写

ゲネサレ湖のイエス
画像は聖書のサイトから借用

「イエスは荒れた湖の上を歩いていた。ランタンが、エメラルド色の波の脇腹に、白い姿で茶色の紐を締めて、まっすぐに立っているイエスの姿を照らし出した…」

門司 邦雄(Parolemerde 2001)
2020年8月11日


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